離婚・男女問題

2024/07/21 離婚・男女問題

不倫慰謝料の増額事由と減額事由

 

 本コラムでは、不倫慰謝料の増額事由と減額事由について、簡単に説明します。

 

1、夫婦及び家族関係

⑴夫婦の関係性           

 夫婦の関係性が良好・円満であった場合には、慰謝料の増額事由となります。一方で、悪化していたケースや破綻の危機に瀕していたケース等では減額事由となります。別居期間が相当期間続いているようなケースでは、破綻していなかったとしても、かなり低額となるケースもあり、夫婦の関係性は重要な要素となります。

 

⑵婚姻期間

 一般に、婚姻期間が長期であることは、慰謝料の増額事由であり、婚姻期間が短期間であることは、減額事由であると捉えられています。裁判例では、婚姻期間が3年以下である場合には、短期間であるとして、減額事由として考慮されるケースが多いように思います。

 

⑶子の存在

 未成熟子がいる場合には、慰謝料の増額事由となります。

 

2、不貞行為の態様等

⑴期間・回数

 期間が長く、回数が多ければ増額事由となり、一方で、一回であるような場合には減額事由となり得ます。

 

⑵主導的立場

 不貞関係において、主導的、積極的な役割を果たした場合には、慰謝料の増額事由となります。

 

3、不貞(発覚)後の事情

⑴夫婦関係に与えた影響

 不貞が夫婦関係に与えた影響は慰謝料算定の重要な要素となります。不貞の結果、これを理由として離婚に至ったような場合には、増額事由となりますし、不貞があっても離婚に至らずに円満に家庭生活を送ることができているような場合には、それほど高額とはならない傾向があります。

 

⑵謝罪

  反省や謝罪をしないことは増額事由となり、謝罪をしていることは減額事由となります。

 

⑶関係の継続

 不貞関係が発覚した後も、これを継続している場合、慰謝料の増額事由となります。

 また、明示的に関係解消を求められたにもかかわらず、継続している場合にはより悪質性が高いと判断されるものと考えます。再開についても同様です。

 一方で、関係の終了は減額事由になり得るものと考えられます。

 

⑷宥恕

 配偶者を宥恕しているような場合には、相手方に対する慰謝料請求との関係でも、減額事由となり得ます。

 

⑸配偶者に対する請求の有無

 宥恕までは認められなくとも、配偶者には請求せずに、相手方のみに請求しているような事案では、このことを理由に、慰謝料が減額される場合があります。

 

⑹うつ病等の発症

 不貞関係を知ったことが理由となって、うつ病の診断を受けたような場合には、これが増額事由となることがあります。

 

3、おわりに

 以上、不貞慰謝料の増額事由及び減額事由について説明しました。上記で挙げたものは、一例であり、実際には、上記の事情のほかにも様々な要素が考慮されて、慰謝料が導かれます。不貞慰謝料でお悩みの方は一度弁護士に相談されることをお勧めします。

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